オーナーチェンジ物件に自分で住むメリットとデメリットとは？その方法とリスクについて解説！

近年、投資の手法として注目を集めているオーナーチェンジ物件。投資用ワンルームマンションをはじめとしたこのタイプの物件は、購入後すぐに賃貸収益が得られるため、投資物件としての魅力が高いとされています。
では、このようなオーナーチェンジ物件を購入し、現在の賃借人に退去してもらって自分で住むことはできるのでしょうか？
結論から言うと、可能です。しかし、それにはいくつかの重要なデメリットやリスクも伴います。

オーナーチェンジ物件には、他の物件にはない独自のメリットがある一方で、意外な落とし穴や注意すべき点も存在します。
この記事では、オーナーチェンジ物件に自ら住むことを検討する際に押さえておくべきポイントや、知っておくべきリスク、賃貸管理会社のサポートの重要性について詳しく解説します。

オーナーチェンジ物件とは？

オーナーチェンジ物件とは、すでに誰かが住んでいる賃貸物件を買い取り、そのまま家賃を受け取るタイプの不動産です。
この物件を購入すると、新しい所有者として、すぐに家賃収入を得ることができます。これが、投資目的で不動産を買う人にとって魅力的な点です。

賃貸管理会社が管理を行うオーナーチェンジ物件の場合、新しいオーナーは、物件の日々の運営を心配することなく、安定した収入を得ることができます。賃貸管理会社は、物件のメンテナンスや住人とのやり取り、法律に関する手続きなどを代わりに行ってくれるため、物件の価値を守りながら、オーナーは手間をかけずに投資からの利益を得ることができます。

入居者がすでにいるため、オーナーチェンジ物件は空室の心配がなく、確実に家賃収入が見込めます。初めて不動産投資をする人から、経験豊富な投資家まで、誰にとっても安心して収入を得る方法です。

簡単に言うと、オーナーチェンジ物件は、すぐに収益が得られ、管理の手間も省けるため、忙しい人や初心者でも手軽に不動産投資を始められる選択肢と言えます。

オーナーチェンジ物件に住むメリット

オーナーチェンジ物件に自分で住むことを選択するには、いくつかの魅力的なメリットがあります。

1．価格面でのメリット

オーナーチェンジ物件は、一般的に投資目的で購入されるため、通常の住宅市場とは異なる価格設定がされていることがあります。
特に投資家にとって魅力的な物件であれば、家賃収入を見込んで価格が抑えられているケースも少なくありません。これにより、同じエリアの一般的な住宅よりも割安な価格で物件を購入できる可能性があります。
賃貸中であることが価格の調整要因となることも多いため、良質な物件を割安な価格で手に入れられる可能性があります。

2．人気エリアに住むことができる

投資用物件は、資産価値が高いエリアに集中していることが多いため、人気のエリアに住むチャンスが得られる点も大きなメリットです。
例えば、都心部や交通の便が良い場所、または再開発が進んでいる地域など、住むには理想的なエリアであっても、通常の売買市場ではなかなか手に入らない物件が、オーナーチェンジ物件として販売されることがあります。
これにより、自分自身のライフスタイルに合った魅力的な場所に住むことが可能となります。

3．初期収益の活用

もし、購入後すぐに引っ越しを予定していない場合、賃貸中のオーナーチェンジ物件であれば、賃借人からの家賃収入をそのまま活用できる点も大きな利点です。
例えば、引っ越し資金を貯めるための期間として家賃収入を活用することができます。これは、他の購入オプションでは得られない独自のメリットと言えるでしょう。

オーナーチェンジ物件に住む際のデメリット

一方で、オーナーチェンジ物件に住むことにはいくつかのデメリットやリスクも伴います。これらを理解しておくことは、購入後の後悔を防ぐために非常に重要です。

1．すでに入居中である賃借人との契約解除の難しさ

最も大きなデメリットの一つは、賃借人（入居者）との契約解除が容易ではないという点です。
オーナーチェンジ物件は、既に賃借人が住んでいる状態で購入されるため、賃借人との賃貸契約が継続していることが前提となっています。
このため、物件を購入してもすぐに自分で住むことはできず、賃借人に退去をお願いする必要があります。

しかし、賃貸借契約は法律により賃借人が強く保護されているため、オーナーの一方的な都合で契約を解除することはできません。
賃借人が退去を拒否した場合、法的手続きを通じて解決する必要があり、時間とコストがかかる可能性があります。また、賃借人との交渉がスムーズに進まない場合、ストレスやトラブルに発展することもあります。

そのため、すぐに住み始めたい人にはオーナーチェンジ物件はお勧めできません。賃借人が退去するタイミングを待たなければならないため、移入の計画には十分な余裕を持たせる必要があります。

2．物件の状態が不明瞭

オーナーチェンジ物件は、賃借人が住んでいるため、購入前に十分な内見ができないことが多いです。
物件の内部状態や設備の劣化具合、修繕が必要な箇所など、実際に住んでみるまで分からない点が多くあります。これは、購入後に予期しない修繕費用が発生するリスクを伴います。

また、物件が賃借人によって使用されている期間が長い場合、その物件がどのように管理されてきたのか、どの程度のダメージを受けているのかを確認することが難しいです。
これは、将来的な修繕費用や居住環境に直接影響を及ぼす可能性があるため、十分に注意する必要があります。

3．退去手続きや費用負担の発生

賃借人に退去を求める場合、法的手続きを経る必要があり、その際に弁護士費用や裁判費用などのコストが発生することがあります。また、退去を促すために引越し費用や一時金を賃借人に提供する場合もあり、これも追加の経済的負担となります。

さらに、退去が決まった後でも、賃借人が適切に物件を引き渡さなかった場合、原状回復の費用や清掃費用がかかることもあります。これらのコストは、購入時には想定していなかった大きな負担となる可能性があるため、慎重な計画と準備が必要です。

法律や契約面の注意点

オーナーチェンジ物件に住むことを考える際には、法律や契約に関する注意点も重要です。
日本の法律は賃借人を強く保護しているため、オーナーが賃貸契約を解除して自分で住む場合には、法的な側面を理解しておくことが不可欠です

借地借家法の影響

日本の賃貸契約は、借地借家法によって賃借人（入居者）が非常に強く保護されています。この法律により、賃貸契約を解除するには正当な理由が必要とされ、オーナーが一方的に賃借人を退去させることはできません。
例えば、オーナー自身が住むことを理由に契約を解除する場合でも、裁判所がその正当性を認めなければなりません。

さらに、契約解除の際には、賃借人に対する適切な通知期間が求められるため、突然の退去を求めることもできません。
このように、法律的な制約があるため、オーナーチェンジ物件を購入して自分で住むことを考える際には、借地借家法に精通した専門家のアドバイスを受けることが重要です。

賃貸契約解除の条件

賃貸契約を解除するためには、正当な理由とともに一定の手続きが必要です。
例えば、オーナー自身が物件に住むことを理由とする場合、賃借人に対して十分な通知期間（通常は6ヶ月以上）を与える必要があります。
また、賃借人が賃料を滞納している場合や物件の使用状況が悪い場合も、契約解除の正当な理由となり得ますが、これらのケースでも裁判所の判断が必要になることが一般的です。

契約解除が認められるためには、オーナーが提出する理由が裁判所によって「正当」とみなされなければならず、その判断基準はケースバイケースで異なります。
そのため、契約解除の条件や手続きについては、事前にしっかりと確認しておくことが重要です。

法的手続きの流れ

賃貸契約の解除には、法的な手続きが伴います。
まず、賃借人に対して契約解除の通知を行い、その後、賃借人が退去に応じない場合には、裁判所に対して賃貸借契約の解除を求める訴訟を提起する必要があります。この過程には時間がかかることがあり、裁判が長引くと、その間に物件に住むことはできません。

また、裁判が終わって賃借人の退去が決定された後も、強制執行などの手続きが必要になることがあり、これに伴う追加の費用や時間が発生します。
このように、オーナーチェンジ物件に自分で住むことを考える際には、法的手続きの流れをしっかりと理解し、必要な準備を行うことが重要です。

賃貸管理会社のサポートの重要性

オーナーチェンジ物件の購入を検討する際には、賃貸管理会社のサポートが非常に重要となります。プロフェッショナルの支援を受けることで、賃借人との交渉や法的手続きがスムーズに進むだけでなく、様々なリスクを軽減することができます。

プロからのアドバイスを受けられる

賃貸管理会社は、賃借人との契約解除や退去手続きについて豊富な経験を持っています。すでにオーナーチェンジ物件を購入し、自分で住むことを検討している場合、プロのアドバイスを受けることで、物件への移行をスムーズに進めることができます。

たとえば、賃借人にどのような条件で退去をお願いするか、通知のタイミングや方法など、具体的なアドバイスを受けることで、トラブルを避け、円滑に物件を自分で使えるようになる可能性が高まります。

法的トラブルを避けるための対策ができる

すでに購入したオーナーチェンジ物件では、賃借人の退去に関する法的なトラブルが発生することもあります。退去を拒否されたり、契約解除が認められなかったりする場合でも、賃貸管理会社のサポートがあれば、適切な法的手続きをスムーズに進めることができます。

法的な問題を避けるためには、契約書の内容や法律的な条件をしっかりと理解し、慎重に対応することが求められます。賃貸管理会社の専門家がこれらの手続きを代行してくれるため、オーナー自身が物件に住み始めるまでのプロセスが安心して進められます。

スムーズな移行を実現できる

賃貸管理会社のサポートがあると、すでに購入した物件に自分で住むまでの手続きがスムーズに進みます。特に、賃借人との交渉や契約解除についてプロの支援を受けることで、余計なストレスや時間をかけずに手続きを完了することができます。

オーナーチェンジ物件に自分で住む場合のまとめ

オーナーチェンジ物件を購入して自分で住むという選択肢には、魅力的なメリットがある一方で、さまざまなデメリットやリスクが伴います。
賃借人との契約解除の難しさや物件の状態の不明瞭さ、さらには法的手続きの複雑さなど、慎重な判断が求められます。

そのため、オーナーチェンジ物件の購入を検討する際には、賃貸管理会社のサポートを受けながら、法的リスクやコストをしっかりと把握し、計画的に進めることが重要です。
最終的には、専門家と連携して慎重に判断し、自分にとって最適な選択をすることで、満足のいく結果を得ることができるでしょう。

オーナーチェンジ物件に住むことを検討している方は、ぜひこの記事を参考に、メリットとデメリットをよく理解した上で、適切な決断を下してください。